筑波バイオテック研究所との共同公開実験   2006.7.6 筑波大バイオマス実験場(古河)

 

 

 

前川孝昭筑波大学名誉教授(筑波バイオテック研究所)との共同実験を2006年7月6日に行いましたのでご紹介します。

前川教授は畜産で発生する敷き藁、糞尿等を独自のメタン発酵装置(2相式プラグフローメタン発酵装置)でバイオガス化に成功しております。今回はこの装置で得られたメタンガスを用いてスターリングエンジンを動かし発電することを目的とした公開実験です。日本各地から関係者が大勢参加されました。実験は成功しました。これで更にスターリングエンジンの応用範囲が広がりを見せるでしょう。

 

公開実験

説明会

 

2相式プラグフローメタン発酵装置

 

 

2相式プラグフローメタン発酵装置は、新しい発想に基づくもので、写真のとおり発酵槽が移動可能なコンテナに納められています。

手前のタンクは液肥で、発酵過程で良質な液肥と堆肥が得られます。

今回の公開実験は、この装置で作られるメタンガスを直接ST-5スターリングエンジンの燃焼炉に導き燃焼させ、エンジンを駆動しました。発電電力は予定とおりの3KWをクリヤーしました。

 

説明する前川筑波大名誉教授

 

 

 

 前川教授の公開実験後のコメントをご紹介します。

筑波・バイオエコシステム協同組合との共同研究で開発してきた2相式プラグフローメタン発酵装置の開発は、2年間の試験を経てスケールアップの正しさが確認できました。ようやく商品として船出ができるところにいたったと考えています。

 本日、懸案になっていた、内燃機関と外燃機関を用いた、バイオマス変換によるバイオガスを燃料とする公開実験を成功裏に終了できました。特に、外燃機関であるスターリングエンジンをバイオガスや木質チップでの運転は蒸気機関にないシンプルでかつ汎用性のあるシステムに発展できること、また部分的に使えば廃棄物系バイオマスや未利用バイオマスを利活用できることに気づかれた方々が多いと思います。

湿った材料であるバイオマスや乾燥系のバイオマスも、油脂類も外燃機関であるスターリングエンジンで電気や温水に変換できること、スターリングエンジンの排気ガスも厳しい排ガス規制があってもバイオガスを確保できれば、この排ガス対策にも有効です。このようにメタン発酵装置とスターリングエンジンの組み合わせは、相互の欠点を補完できる関係にあります。

今回の公開実験の大きな目的はスターリングエンジンの導入によってメタン発酵が主流のバイオマス変換施設がハイブリッド化され、ハイブリッドバイオマス利用施設としてその進化の可能性を見せていることを理解していただくことでした。

このハイブリッド化は、メタン発酵から出てくる液肥や堆肥の組成をも調整できるシステムの構築が可能になりました。液肥では過剰な窒素を減少させることができ液肥の組成を調整できます。また、堆肥も木質系の材料を加えることで質の高い堆肥を製造することが出来ます。これは実用的スターリングエンジンの登場によって、乾燥系バイオマスから潤沢に電力や熱エネルギーの供給実現できるから可能となったことです。

以上述べたとおり、ハイブリッド化することでバイオマス利用施設に入ってくる廃棄物系バイオマス、これから検討されるエネルギー作物などの利用施設の最適な構成やシステム選択が出来るようになります。