燃料としてバイオマスの利用

 

バイオマスとは何か

植物体の有機物は太陽と水と空気中の二酸化炭素から光合成(炭酸同化作用)によって作られます。こうして出きる有機物はアルデヒド、糖類、澱粉、セルローズ、リグニン、脂肪、蛋白質などです。草食動物もこの植物を食べ、間接的に太陽のエネルギーを得ています。このように、太陽のエネルギーを貯えた種々の生物体を総称してバイオマス(生物量)と呼んでいます。

石炭や石油などの化石燃料も太古の樹木や藻類が地中に埋もれて化石化したものであり、天然ガスもその化石化の過程で地中に溜まったものです。従って、化石燃料もバイオマスの一つではありますが、ここではこれらを化石燃料と呼び、バイオマスとは区別して取り扱うことにします。

基本的にバイオマスと呼ぶ場合は、草食動物の排泄物を含め1年から数十年で再生産できる植物体を起源とするものを指します。

バイオマスのエネルギーとしての利用の可能性

1兆トン位あると云われている化石燃料は、数千万年から数億年かかって作り出されました。これを今、人類は100年から200年という極く短い期間に消費し尽くそうとしております。更に森林を収奪することによって、大気中に莫大な量の二酸化炭素を排出し続けております。このため大気中の二酸化炭素の量は急増し、いわゆる温室効果による気象変化が起こり、海水面の上昇による陸地面積の減少などが現実的な懸念となって来ました。

-1に化石燃料資源の可採年数を示します。

資源名

石炭

石油

天然ガス

可採年数(年)

529

50

68

-1 (1987年世界エネルギー会議データ:モントリオール)

人類が生存するのに適した大気中の二酸化炭素量を維持するためには、化石燃料を含めたバイオマスのバランスのとれた利用が必要です。即ち、地球上で二酸化炭素が年間に実質固定される量以下でバイオマス(化石燃料を含む)をエネルギーとして利用することです。陸地(寒冷地と砂漠を除く)では1u当り年間200g程度炭素を固定しており、水域でも100200gを固定しております。総量では陸地で500億トン、水域で250億トン合計750億トンの炭素が1年間に生産されております。これを発熱量に換算すると、6000,000兆Kcalとなり、現在の世界のエネルギー消費量の約9倍にもなります。これは理論的には地上の生物(植物)が年間に成長、増殖するだけを利用することで、化石燃料に頼らなくても全世界のエネルギーを賄えることになります。

バイオマスの燃料化への課題

バイオマスの代表例として農業生産物の派生品(籾殻、わらなど)、林業における間伐材などがあります。乾燥させてそのまま利用することも出来ますが、石油や天然ガスに比べて使用しにくい課題があります。かさ高い、ハンドリングが面倒、低カロリー、供給量の変動、灰渣が多いなどです。これらの課題を少しでも解決していく努力が必要です。より使いやすくするための加工例を次に示します。

バイオマスの加工例

間伐材や廃材、木材加工屑

 

木質チップ

間伐材や廃材をクラッシュしたものでST-5燃焼炉用として適しています。

 

 

木質ペレット

木質チップを高圧で成形したもの。ストーブ用燃料として商品化されています。

 

 

かんな屑

かんな屑、のこぎり屑などは良質のバイオマス燃料となります。

 

農産物バイオマス燃料

農業生産物から得られるバイオマスに籾殻やとうもろこしの茎や葉があります。これを直接燃料として利用することもできますが、これを加工することでより高密度の燃料にすることが出来ます。それぞれの圧縮加工品の写真を以下に示します。

とうもろこし

とうもろこし

もみがら