実用化スターリングエンジンST−5  地球環境保全に役立つバイオマスエンジン

 

 

 

スターリングエンジンST−5の概要

ST−5の標準出力(軸)は5HP(馬力)で、比較的小規模の用途向けに開発されたエンジンです。

最近家庭用の太陽光発電設備が普及し始めましたが、その発電容量規模は3.5kwh程度のものが多く、普通の家庭で消費する電力量の一部を賄い、日中の余剰電力を電力会社へ売電しており、全体システムとして採算がとれるようになってきました。この太陽光発電の規模が丁度スターリングエンジンST−5(5HP)に相当します。

例えば稲作農家では収穫期には稲藁、籾殻が多量に出ます。この稲藁、籾殻はバイオマス燃料として最適ですが、殆どが廃物として廃棄されております。ST−5はこの廃物を熱と動力そして発電と、有効に利用できます。都会の太陽光発電に対し、田舎(農家)でのスターリングエンジンが地球にやさしいエネルギー源として脚光をあびつつあります。

構造

-1はスターリングエンジンST−5の外観です。図-2は内部構造を示したものです。

-1 ST−5の外観

 図−2内部構造

 

テストシステムについて

写真-1はST−5スターリングエンジンを発電用として構成したテストシステム例を示したものです。

写真−1

 

 

ST−5本体の加熱部は燃焼装置に挿入されています。

燃焼装置には一定量のバイオマス燃料を供給するホッパーが付属しております。

ST−5にはベルトで発電機が接続されており、発生電力で電球が点灯するように構成しております。なお、発生電力の一部で冷却水の循環、冷却(ラジエータファン)、燃焼装置へのバイオマスの自動供給、送風(燃焼用)を行っております。

 

写真―2

 

 

同校のある岩手県は林業が盛んで、間伐材の有効利用の研究が熱心に進められております。間伐材をチップまたはペレット化し、これを燃料とする計画です。

当社が納入したST-5をベースに実用化に向けて研究開発が進んでおります。当社もこれに全面的に協力しております。

写真―2は一関工業高専殿に納入したST-5のテスト機です。

全体の熱効率 

スターリングエンジンはエンジン本体と燃焼装置から構成(基本構成)されます。ST−5をバイオマス燃料(おがくず)で稼動した場合の熱利用フローを図-3に示します。

-3 ST−5熱利用フロー(米国スターリングテクノロジー社データーによる)

 

ST-5では加熱部温度を650℃、冷却水温度を外気温+10℃と設定しております。燃焼装置で1時間当り10kgのバイオマスを燃焼させると、約32,000Kcal/hの発熱量が得られます。燃焼装置自体から輻射で約4,300Kcal/hが大気中に逃げます。また、燃焼装置の煙突からは排気と共に約9,500Kcal/hが排出されます。

ST-5には18,200Kcal/hの熱量が入ります。その内15,000Kcal/hが冷却水の中に逃げます。そしてST-5の出力軸には3,200Kca/hの軸出力が得られます。この軸出力の内300Kcal/hが冷却水ポンプとブロアー、バイオマスの燃焼装置への自動供給装置の駆動に使われます。従って正味出力は2,900Kcal/hとなり、これをWに換算すれば3.37kwとなります。

バイオマスの燃焼で発生した総熱量に対する軸出力の比率は 2,90032,0000.09  即ち10%弱です。現状ではガソリン、ディーゼルエンジンなどと比べるとまだかなり低いレベルですが、改良開発により相当改善できると考えております。

スターリングエンジンは化石系燃料を使用しなくても、動力が得られ、しかもその燃料に、毎年生産されその殆どが廃物として単純に焼却されていたバイオマスが有効利用できるという大きな特徴を有しております。

(基本構成の補足説明)

おがくずなどのバイオマスは単位重量当りの発熱量が石油系燃料に比べて少ないので、所要の高温(650℃)を得るために燃焼室に燃料と共に比較的大量の空気を送り込んで迅速な燃焼をさせます。また、内部ガスの冷却には水を循環させ、水が吸収した熱は外部に設けたラジエータで強制冷却(ブロアー使用)します。これらの動力はエンジン軸出力の一部を利用します。

コジェネレーションシステムとしての熱効率の改善

ST−5の軸出力を動力源や発電のみに利用するだけでなく、放出される熱も有効に利用するコジェネレーションシステムとして用いれば、総合熱利用率は大幅に向上します。これらについては活用例の項でご説明いたします。

 

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